審判員制度

2019年5月17日のJ1浦和-湘南戦で起きた誤審で、審判員に注目が集まっていますので、審判員制度について、少し纏めてみます。

資格

日本サッカー協会、あるいはその傘下にあるサッカー協会の主催するサッカーやフットサルの試合の審判を務めるためには資格が必要です。資格は1〜4級に分かれており、下位の資格を取得していることが昇格の大前提になります。

日本サッカー協会「審判制度概要」より
概要2018年登録(人)
1級日本サッカー協会が認定
[受検資格]
 各地域サッカー協会の推薦が必要
[検定内容]
 筆記テスト、体力テスト、実技テスト
[担当可能大会]
 JFAが主催するサッカー競技
218
女子1級日本サッカー協会が認定
[受検資格]
 2級取得後2年以上で、実績のある39歳以下の女性
 各地域サッカー協会の推薦が必要
[検定内容]
 筆記テスト、体力テスト、実技テスト
[担当可能大会]
 JFAが主催・管轄する女子サッカー競技、もしくは2種・3種・4種の試合
56
2級各地域サッカー協会が認定
[受検資格]
 3級取得後2年以上で、一定の実績を積んだ者
 各都道府県サッカー協会の推薦が必要
[検定内容]
 筆記テスト、体力テスト、実技テスト
[担当可能大会]
 地域サッカー協会が主催する試合
3,549
3級各都道府県サッカー協会が認定
[受検資格]
・4級取得者で一定の実績を積んだ者
・4級で19試合以上(主審を半数以上)経験した者
[検定内容]
 筆記テスト、体力テスト
[担当可能大会]
 都道府県サッカー協会が主催する試合
35,136
4級各都道府県サッカー協会が認定
[受検資格]
 心身ともに、健康で審判員として活動できる者
[検定内容]
 講習と実技、筆記テスト
[担当可能大会]
 都道府県サッカー協会を構成する支部、地区/市区郡町村サッカー協会の参加の団体、連盟等が主催するサッカー競技の試合
232,703

Jリーグで審判をやるには?

Jリーグで審判を担当するには、まず、1級(女子1級)審判員になる必要があります。
人数で見てお分かりのとおり、1級のハードルはかなり高いです。

Jリーグの主審を担当する場合、スプリントテストとして、40m走を6本、いずれも6秒以内で走る事、インターバルテストとして、1セットを75m走を15秒以内、25m歩きを18秒以内でこなす事を目標に40セット行う必要があるそうです。

その上で、実績等を踏まえて、Jリーグ担当審判として登録される必要があります。

審判員を見ていると、PR(プロフェッショナルレフェリー)と言う方がいますが、トップレベルの審判員が審判活動に専念できるようにJFAと年間契約を結んでいる方々です。
年収は、1,000万円〜2,000万円と言われています。

W杯で主審をやるには?

Jリーグで実績を積み、1級審判員および女子1級審判員の中から選出され、JFAからFIFAに推薦された後、FIFAによって承認されると、「国際審判員」になることができます。当然、英語は必須です。
多くの方はPRですが、PR以外の方でも国際審判員はいらっしゃるようです。

FIFAやAFCの指名を受けて国際試合を担当し、研修会を受け、経験を積んでいくと、いよいよW杯の審判になるための選考会を受けられます。

W杯の審判員になる際には、技能チェックの他、体力テスト、健康診断、筆記試験、心理テストなどの選考試験が行われ、すべてで合格点をとって、初めてW杯の舞台に立つことができます。
ちなみに、国際審判の年収は、2,000万円〜3,000万円と言われています。

レフェリーでトップを目指そう!

高田静夫さん
 東京教育大学(現・筑波大学)、読売クラブでのプレーを経て、引退後に審判員へ

岡田正義さん
 東海大学の在学中に、選手から審判員へ転向

上川徹さん
 東海大学、藤田工業でのプレーを経て、引退後に審判員へ

西村雄一さん
 日本電子工学院専門学校(現・日本工学院専門学校)を卒業後、サラリーマン生活を送りながらアマチュアの試合で審判を続けて一級審判員へ

W杯などの国際試合で活躍された日本のトップレフェリーも経歴は様々です。
選手ではなく審判員でW杯を目指す、そんな子供が増えてくると、日本の審判員のレベルもどんどんアップするかもしれませんね。

少年サッカーをする子供を持つ保護者の方々も、子供と一緒にW杯を目指してみるのもいいかもしれません。(国際審判の定年は45歳です! 急ぎましょう!!)

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